テナント契約前の交渉術
どの不動産屋経由で申し込むか
結構ここは重要なポイントです。
物件の管理会社に直で申し込み
私はこの方法をおすすめします。
物件の管理会社の調べ方は、他の記事でも紹介していますが、こんな感じで管理会社名がほとんどの場合、貼ってあります↓↓↓
理由は大きく2つです。
①管理会社に”直”が一番早い
「不動産会社」と一言で言っても、
元付会社(もとづけ)
客付会社(きゃくづけ)
という真逆の立場の両社が存在します。
元付は物件の管理会社のことを指します。
- その物件を自社で保有している
- オーナーから直接管理受託している
ざっくりですがこれらが元付です。
一方、客付は借り手と元付の間に入って「仲介」をする会社です。重要なポイントは、客付会社はオーナーとは直接話が出来ないことです。
最初の問い合わせを客付会社に行うと、結局客付会社から元付会社に連絡が入ります。客付会社に依頼をするということは、元付会社との交渉を客付会社に依頼する形です。
要は1社余計な会社が入るだけです。
だから元付と直の交渉が一番早いのです。
注:様々な諸条件あるのであくまでも一般論です。
②仲介手数料の配分の問題
客付会社を通せば、借り手は客付会社に仲介手数料を払います。元付会社を通せば、借り手は元付会社に仲介手数料を払います。
細かく書くとキリが無いので端折りますが、元付会社は多くの場合、オーナー側からも手数料がもらえるので、両方から手数料がもらえて喜びます。なので一生懸命オーナーと交渉してくれます。ひょっとしたら仲介手数料も割引してくれるかもしれません。
一方客付会社は、自社の物件でも無いですし、「どの物件でも良いから」結果的に決まれば良いのです。ただ仲介手数料が唯一の収益なので値引きは難しいでしょう。
注:これも様々な諸条件があるのであくまでも一般論です。AD付きの物件などでは、客付会社でも仲介手数料を割り引くケースもあります。繰り返しですがキリが無くなるので気になる方は別途ググってみてください。
上記のような理由から、借りたい物件の管理会社さんに直接空き確認をして、手続きを進めることにしました。知人から紹介の不動産屋さんは通していません。
【管理会社に”直”】
私➡管理会社➡物件オーナー➡管理会社➡私
【知人紹介の不動産屋経由】
※知人紹介の不動産屋をA不動産とする
私➡A不動産(タイムロス)➡管理会社➡物件オーナー➡管理会社➡A不動産(タイムロス)➡私
単純に工程が増えるので、迅速な交渉や意思疎通のために、気になる物件があった際には、管理会社に直接問い合わせるべきと思います。(物件によってはこれが出来ないケースもございます。)
具体的な交渉内容
契約前に交渉事はきちんと済ませておきましょう。私は以下のような内容を相談しました。
- 家賃交渉
- フリーレント交渉
- 短期解約違約金減額交渉
- 看板等の広告物設置交渉
- トイレ改修交渉
- 現状回復内容の詳細交渉
各交渉の難易度
感じた難易度を3段階で記します。
難易度高➡ ★★★
難易度中➡ ★★☆
難易度低➡ ★☆☆
【1.家賃交渉】★★★
元々相場より安いこともあり、無理でした( ;∀;)大家さんの継続収入になる部分なので、ハードルは高いです。でも言うのはタダですから。ダメ元です。
【2.フリーレント交渉】★☆☆
契約してから内装工事期間中は収益ゼロです。これは是非とも勝ち取りたいですね。人気物件だと難しいと思いますが、私の場合は内装工事が終了する予定の、約1ヶ月のフリーレントをいただきました。0.5ヶ月から1ヶ月は十分交渉可能です。
【3.短期解約違約金減額交渉】★★☆
私はかなり慎重派な部分もあるので、常に「最悪の状況」を考えすぎるくらい考えていました。このテナント物件の契約期間は5年間。新規創業店舗の1年後生存率が半数(←正しいかわかりません)とか言われている中で、5年の契約はかなりのリスク。5年以内での解約違約金が3ヶ月分でした。ここは正直に、
潰れないように一生懸命頑張ります。でも大手のバックボーンがある訳ではないので、いつ潰れるか分かりません。潰れるとなった際に、3ヶ月分(60万円)の違約金を払うお金は現実的に残っていないと思います。なので、何とか短期解約違約金を1ヶ月分に減額いただけませんか?
とお願いしました。今思うと、
自己中なお願い(笑)
でもその時は必至で想いを伝えました。
すると見事快諾!
本当にありがとうございました。
【4.看板等の広告物設置交渉】★☆☆
私の選んだテナント物件は、複数のテナントが入る複合物件でした。昔からの医院や小さなメガネ屋さんなど、販促にはほとんど拘りのない店舗さんが多かったのです。私は目立てば目立つほど良いと思っていたので、看板+LED照明の設置や、のぼり●本と立て看板を共有スペースに置きたいということなどを細かく確認しておきました。ミスマッチをなるべく無くすよう、確認しておくと良いと思います。
【5.トイレ改修交渉】★★☆
ここのテナント物件は、トイレが各テナントで共用となっています。昔からの医院やメガネ屋さんは、清掃に無頓着なお店さんでした。だから、トイレがかなり汚くても全く気にされていない様子でした(-_-)しかも今どき和式。女性向けのスタジオのため、ここは必死にお願いをして、洋式の綺麗なトイレに交換して頂ける約束をいただきました。オーナーさんからすると、ヨガスタジオが入ることで、テナントビルが少しでも華やかになることを期待してくださっているそうです。最悪、オーナーさんに許可をいただき自費でも改修したいと思っていたので、大変助かりました。
【6.現状回復内容の詳細交渉】★☆☆
3番の内容とも少し似ていますが、万一潰れた時は現状回復費用の捻出もかなり難しいと思いまして…元々学習塾の跡地ですが、スケルトンではなく、”塾が営業していたまま”の内装状態で引き渡しを受ける条件でした。ここも正直に、内装工事の内容を詳細に伝え、確実に今より綺麗になり価値があがることを強調しました。使いにくい特殊な装飾は一切無いので、事前に申告した改装内容に限り現状回復しなくても良いという寛大な対応をいただきました。仮にスケルトンに戻す物件では、場合によっては100万円単位でかかると思うので、この内容も心強かったです。
交渉可否は物件によりけりです。
特に家賃やフリーレントなど、お金に関わるお話は契約前にしか出来ないと思うので、ハンコを押す前にダメ元で色々伝えてみましょう。ただしお互い商売している者同士の交渉です。お互い気持ちよくスタート出来ることを意識して、交渉にあたると良いと思います。